賃貸アパートの相続が知りたい②【分割方法やケース別のおすすめ分割方法を解説します】
賃貸アパートの相続が知りたい人
「親からアパートを相続する予定だが相続発生した後の分割方法が知りたい。あとそれぞれの分割方法は、どのようなケースでした方がよいのかあれば教えて下さい。」
こういった疑問にお答えします。
✓本記事の内容
1.賃貸アパートの相続での分割方法が分かります【3つの分割方法があります】
2.ケース別でのおすすめの分割方法が分かります【参考にしてください】
この記事を書いている私は、不動産歴18年ほど。その中で相続歴は10年ほどの行政書士です。
よくある質問で「賃貸アパートの相続について分割方法が知りたい」という疑問があります。その疑問を順番に解決していきましょう。
1.賃貸アパートの相続での分割方法が分かります【3つの分割方法があります】
相続する方法や持分などを事前に取り決めておきたいものです
賃貸アパートの相続の手続きや内容や注意点については「賃貸アパートの相続が知りたい【相続手続きの流れや内容を解説します】」をご覧ください。
賃貸アパートの分割方法について(分割方法や内容を解説します。)
アパートの相続人が複数人いる場合には、遺産分割協議を経てアパートの分割方法を決める必要があります。
アパートの相続方法には、以下の3つがあります。
①現物分割:財産を現物ごとに各々で分ける
相続人が亡くなられた方の個々の財産(自宅・アパート・預金・株式など)をそのまま引継ぐ方法です。
アパートの相続税負担や経営責任が明確になりますので、アパートにかかる相続税負担はアパート相続人が負担することになります。
不動産と現金などのその他の財産は、公平な評価が難しいため公平な分割は困難になりますが、相続人が明確になるというメリットがあります。
困難な場合、代償金で補うことが多いです。
②代償分割:アパートを相続する代わりに代償金を支払う
特定の相続人がアパートを相続する代わりに、他の相続人に現金等を支払い調整することで分割する方法です。
例えば相続人が配偶者1名、子2名(長男と次男)のケースにおいて、長男が8,000万円のアパートを相続した場合、法定相続分を目安として、配偶者に4,000万円、次男に2,000万円を現金でもしくはその金額に相当する財産を支払います。
代償分割の場合、不動産を相続した人物に相応の現金などの資産が必要です。
③換価分割:アパートを売却して現金で分ける
相続したアパートを売却して、現金で分割する方法です。アパートの売却手続きは、相続人代表者が行い、売却代金を遺産分割協議で決めた割合に応じて分割します。
売却にあたり手数料などの費用が別途発生します。
また、売却益が出た場合には譲渡所得税の納税が必要になるなど、手続きが煩雑になります。
立地条件の影響や売却時期のタイミングを計らなければならないことも難点です。
詳しくは「マンションを売却するのにかかる諸費用が知りたい【内容や注意点を解説します】」をご覧ください。
2.ケース別でのおすすめの分割方法が分かります【参考にしてください】
それぞれの分割方法でした方が良いケースをご提案します。
①現物分割した方がよいケース
現物分割した方がよいケースとしては、相続財産全体に占めるアパートの資産価値の割合が低い場合です。
具体的には、現金など他の財産がたくさんあったり、アパート以外にも複数の不動産を保有したりしているケースです。
②代償分割した方がよいケース
代償分割では、現物分割で生じやすい相続人間での不公平をなくすことができます。
生前から相続することが決まっていたり、すでに実質的なアパート経営を引き継いでいる人がいた場合、その人にアパートを相続させて、他の人に不公平とならないように現金等を支払い、調整するケースです。
③換価分割した方がよいケース
相続人間でアパートを承継したい人がいないようなケースでは活用しやすい方法です。
また、換価分割以外の方法では将来的にトラブルに発展してしまいそうな場合には、換価分割を選ぶことでトラブルに発展することを防げる可能性があります。
まとめ:賃貸アパートの相続の分割方法で揉めないように事前に対策を講じましょう
ポイントをまとめます。
・賃貸アパートの相続での分割方法をチェック【3つの分割方法があります】
・ケース別でのおすすめの分割方法をチェック【参考にしてください】
アパートの相続は相続価値に占める資産価値が高いことが多く、場合によっては相続の際のトラブルの種となってしまうことがあります。
相続人間で揉めてしまうことのないよう、トラブルのない分割方法を選んでいくことが大切です。
その為には、生前にどなたがアパートを引継ぐのかをよく話し合っておくことが大切です。
アパートの所有者は相続についてのお考えがあるのであれば、遺言書に残しておくことをおすすめします。
分からないことがありましたら当事務所にお問い合せやご相談下さいませ。
ということで今回は以上です。
これを参考に賃貸アパートの相続が発生した際にはご活用ください。