相続人調査が知りたい③【戸籍謄本の基礎知識(形式・種類・区別)を解説します】

相続人調査が知りたい人
「戸籍収集するには戸籍謄本類を取得する必要があるのは分かりましたが、戸籍謄本にも様々な種類や呼び方があって区別も判断できません。それぞれの内容を詳しく教えて下さい。」

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

戸籍謄本の基礎知識が分かります【戸籍謄本の形式、種類や区別を身につけましょう】

戸籍謄本は形式・種類・区別で分けられています。

その①:戸籍謄本の形式について(古い時代の戸籍謄本は手書きです)

その②:戸籍謄本の種類について(3種類あります)

その③:戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍の附票について(区別を押さえましょう)

上記のとおり

この記事を書いている私は、不動産歴18年ほど。その中で相続歴は10年ほどの行政書士です。

よくある質問で「戸籍謄本の基礎知識が知りたい」という疑問があります。その疑問を順番に解決していきましょう

戸籍謄本の基礎知識が分かるようにここから詳しく解説していきます。

その①:戸籍謄本の形式について(古い時代の戸籍謄本は手書きです)

戸籍の形式について、古くは「明治19年式戸籍」「明治31年式戸籍」「大正4年式戸籍」に始まり、「昭和23年式戸籍」「平成6年式戸籍」といったものに分けられており、それぞれ戸籍の記載内容と記載方法が違います。

特に、「明治19年式」「明治31年式」「大正4年式」のそれぞれの戸籍は、手書きの毛筆体で書かれているので、見慣れない人が読むと何が書いてあるのかわからないので判読しづらいと思います。

【明治19年式戸籍の見方】

・特徴

現在取得可能な中で最も古い様式となるのが明治19年式戸籍です。

家の単位に戸主を中心としてその直系・傍系の親族を一つの親族として記載しています。

現在の戸籍は夫婦単位で子までの二世代が記載されますが、明治19年式戸籍では孫やひ孫、兄弟の妻や甥姪、更にその子など非常に多くの人が同じ戸籍の中に記載されていました。

出生・死亡・結婚・離婚・養子縁組といった事柄を主に記載していましたが、失踪者の帰還、家督相続の変更、族称の改称、勘当等も記載されていました。

手書きであり、ほとんど解読不明な場合もあります。また、変体仮名や旧字体の数字等も多いので慣れないとなかなか読み取れないことも多くなります。

出典:㈱ライフネット 岩見沢公益社「明治19年式戸籍の見本」

【明治31年式戸籍の見方】

・特徴

新たに「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」という欄が追加され、「いつ」「どのような理由で」戸主になったかということが明確に記載されるようになりました。

被相続人の戸籍を遡る作業においては、戸籍が作られた日がはっきりとわかるので便利です。

それまでの戸籍は徴税や兵役などといったことに目的があったと言えますが、明治31年の戸籍法改正では、戸籍の目的を「身分の公証」としました。

そのため、明治19年式の様式と比較すると、父母の氏名や続柄、出生欄なども明確になりました。

出典:㈱ライフネット 岩見沢公益社「明治31年式戸籍の見本」

【大正4年式戸籍の見方】

・特徴

記載された家族について個別に「両親」「生年月日」「家族の中で占める位置(二男の嫁など)」などが記載されるようになりました。

また、これまでは戸籍吏及び戸籍役場が戸籍を管理していましたが、大正4年の戸籍法改正によって市町村役場が戸籍事務を執り行うこととなりました。

明治31年式戸籍にあった「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」の欄が廃止され、その事項は戸主の事項欄に記載されるようになりました

出典:㈱ライフネット 岩見沢公益社「大正4年式戸籍の見方」

【昭和23年式戸籍の見方】

・特徴

戦後、新憲法施行に伴い民法が改正され、戸籍法も大きな改正が行われました。

それまでは「家」を基本単位とする戸籍でしたが、昭和23年式からは「夫婦」を基本単位とする戸籍となりました。

一つの戸籍に入るのは夫婦とその子までとなり、祖父母や兄弟姉妹、叔父叔母、甥姪、孫など三世代以上が同じ戸籍に入ることはできなくなりました。

また、「戸主」が廃止され、「筆頭者」となり、また華族、士族、平民、新平民などといった身分事項の記載も廃止されました。

大正4年式戸籍までの場合は、戸主が死亡すると新しい戸籍へ編製していましたが、昭和23年式からは筆頭者が死亡しても戸籍が新しくなることはなく、その戸籍の筆頭者は亡くなった人のままとなります。

戦後の混乱期でもあり、また明治19年式から大正4年式までの変遷とは違い、大幅な改正であったことから、実際に戸籍簿が改製されるのは昭和32年頃から昭和40年頃にかけてとなりました。

出典:㈱ライフネット 岩見沢公益社「昭和23年式戸籍の見方」

【平成6年式戸籍の見方】

・特徴

平成6年に戸籍法が改正され、戸籍事務の電算化が始まりました。それまで手書きが主だった戸籍の処理をコンピュータ管理するようになったのです。

これまでの縦書きだったものがA4版横書きとなり、現在私たちが利用する様式になりました。

電算化については経費と労力が必要となるため、自治体の財政難といった理由もあり電算化されていない自治体もあります。平成10年以降少しずつ電算化がする身、平成19年現在の電算化導入率は約80%となっています。

電算化された市町村の場合は「現在戸籍」=「平成6年式戸籍」となり、昭和23年式戸籍は「改製原戸籍」となりますが、電算化されていない市町村の場合は「現在戸籍」=「昭和23年式戸籍」です。

戸籍事項欄に「改製日」と「改製事由」が記載されるので、「いつ」「なぜ」この戸籍が作られたのかということが非常に分かりやすくなりました。

出典:北区ホームページ 「戸籍全部事項証明書(見本)」

その②:戸籍謄本の種類について(3種類あります)

戸籍の種類は、「現在戸籍」「除籍」「改製原戸籍(原戸籍)」の3種類があり、それぞれ下記のような意味があります。

【現在戸籍】

現在戸籍とは、その名の通り現在存在している戸籍のことをいいます。

氏名、生年月日、出生や死亡、婚姻や離婚、養子縁組や離縁などの身分変動を、市区町村役場がデータとして保管しているものです。本籍を置いている市区町村で取り寄せることができます。

出典:北区ホームページ 「戸籍全部事項証明書(見本)」

【除籍】

除籍とは、戸籍に記載されている人全員が死亡や結婚、本籍地の移転(転籍)などによって、その戸籍(本籍地)に誰も居なくなった(閉鎖された)戸籍のことをいいます。

除籍謄本は、除籍となった時に本籍を置いていた市区町村役場で取り寄せることができます。

出典:北区ホームページ 「除籍謄本(見本)」

【改製原戸籍(原戸籍)】

戸籍は法律の改正で全国的に様式などが変わることがあり、新しい戸籍に変わるまで使われていた古い戸籍のことを原戸籍といいます。

改製原戸籍は、改製が行われた時に本籍だった場所の役所に保存されています。

出典:北区ホームページ 「平成6年の法務省令による改正原戸籍謄本(見本)」

その③:戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍の附票について(区別を押さえましょう)

それぞれの区別も押さえておきましょう。

【戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)】

戸籍内に記載されているすべての内容(氏名、生年月日、父母の名前、出生地など)について、戸籍に記載されている全員(戸籍に入っている配偶者や子どもまで)の情報を写したものです。

出典:北区ホームページ 「戸籍全部事項証明書(見本)」

【戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)】

戸籍謄本の一部を抜き出したもので、その対象人物だけの情報を抽出して写しを発行したものです。

出典:北区ホームページ 「戸籍個人事項証明書(見本)」

【戸籍の附票】

戸籍に記載されている方の住所の履歴を記載したものです。各相続人の住所を確認するために必要とされています。

出典:須崎市ホームページ 「戸籍の附票の写し」の表示内容の変更について

ちなみに、平成6年の改製によって戸籍は、データ管理化されており横書きの印刷形式になっております。

「電子化された戸籍謄本」⇒戸籍全部事項証明、「電子化された戸籍抄本」⇒戸籍個人事項証明、「電子化された除籍謄本」⇒除かれた戸籍の全部事項証明、「電子化された除籍抄本」⇒除かれた戸籍の個人事項証明と、それぞれ名称が変更されました。

まとめ:戸籍謄本の基礎知識を身につけましょう

ポイントをまとめます。

  • 戸籍謄本の形式について(古い時代の戸籍謄本は手書きです)
  • 戸籍謄本の種類について(3種類あります)
  • 戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍の附票について(区別を押さえましょう)

戸籍謄本の形式、種類や区別についての基礎知識を解説していきました。

戸籍の歴史は古く明治から続いており形や内容は変わってきておりますが、現代に続いております。

特に昔のものですと手書きであり、解読不明な場合や読み取るのに時間や手間もかかることもあります。

戸籍の収集が難しく感じる場合や、市区町村役場の窓口が空いている平日の日中に時間が取れない場合など時間があまり取れない方は、相続人調査を行政書士などの専門家に依頼することをお勧めします。

ということで今回は以上です。

行政書士おおこし法務事務所でも相続人調査を受け付けておりますので、お気軽に依頼してください。

ケースにもよりますが、依頼費用は3万円~5万円程度です。

併せて遺産分割協議書の作成などもお受けできますので、相続手続きにかける時間がない方や事務作業が苦手な方は特に依頼することを検討してみてください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

行政書士おおこし法務事務所

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