法定相続情報一覧図が知りたい①【制度内容と必要なケースを解説します】

法定相続情報一覧図が知りたい人
「相続手続きが楽になる法定相続情報一覧図というものがあるみたいですが内容が分からないので知りたいです。あと必要なケースがあればついでに教えて下さい。」

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

1.法定相続情報一覧図の制度内容をチェック【より速く!より便利に!活用できます】

2.法定相続情報一覧図が必要なケース【手間もコストも省けます】

この記事を書いている私は、不動産歴18年ほど。その中で相続歴は10年ほどの行政書士です。

よくある質問で「法定相続情報一覧図の制度内容と必要なのか知りたい」という疑問があります。その疑問を順番に解決していきましょう。

1.法定相続情報一覧図の制度内容をチェック【より速く!より便利に!活用できます】

活用すべき制度です

  • その①:法定相続情報一覧図の創設背景と制度のねらい(日本の社会問題がきっかけなのです)
  • その②:法定相続情報一覧図の制度内容(メリットだらけです)

上記のとおり

ここから詳しく解説していきます。

その①:法定相続情報一覧図の創設背景と制度のねらい(日本の社会問題がきっかけなのです)

法定相続情報一覧図の創設背景として、「相続登記」の促進にあります。

不動産の登記名義人(所有者)が死亡した場合,所有権の移転の登記(相続登記)が本来ならば必要ですが、近時,相続登記が未了のまま放置されている不動産が増加し,これがいわゆる「所有者不明土地」問題や空き家問題の一因となっていると指摘されております。

所有者不明土地があると土地の所有者の探索に多大な時間と費用が必要となり、公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まず、民間取引や土地の利活用の阻害要因となったり、土地が管理されず放置され、隣接する土地への悪影響が発生したりするなど、様々な問題が生じています。

しかも全国のうち「所有者不明土地」が占める割合は九州本島の大きさに匹敵するともいわれています。

今後、高齢化の進展による死亡者数の増加等により、ますます深刻化するおそれがあるため、その解決は日本の緊急の課題とされています。

その課題を解消させるために法務省において,相続登記の申請を義務化と相続登記を促進するために,「法定相続情報証明制度」を新設させました。

また、本制度のねらいとしては、交付された法定相続情報一覧図の写しが,相続登記の申請手続をはじめ,被相続人名義の預金の払戻し等,様々な相続手続に利用されることで,相続手続に係る相続人・手続の担当部署双方の負担が軽減されること。

さらに、本制度を利用する相続人に,相続登記のメリットや放置することのデメリットを情報や登記官の説明などを通じ,相続登記の必要性についての意識向上を図っております。

その②:法定相続情報一覧図の制度内容(メリットだらけです)

法定相続情報一覧図が認証されると、その後は1枚の証明書(法定相続情報一覧図の写し)だけで公的なものとして相続関係が証明できます。

戸籍謄本等が不要になりますので手間もコストも抑えることができるのが大きなメリットです。

従来は、法務局、金融機関、税務署等の相続手続先が複数ある場合には、相続関係を証する戸籍謄本等の束を提出しては返却してもらい、また次の手続先へ提出してということを繰り返す必要がありました。

しかし、法定相続情報一覧図の写しを取得すれば、戸籍謄本等の束の代わりに法定相続情報一覧図の写しを提出することができ、法定相続情報一覧図の写しは必要に応じて複数取得することができるため、各手続先に同時に提出することが可能で、手続の時間短縮にもなります。

また、法定相続情報一覧図の発行は無料です。いままでは戸籍謄本等の必要書類を揃えるには手間もコストもかかりましたが、発行手数料がかからず利用しやすい点も大きなメリットといえます。

法定相続情報一覧図は申出日の翌年から起算して5年間登記所に保存されるため、当初の申出人であればこの間いつでも無料で再交付することができます。

2.法定相続情報一覧図が必要な5つのケース【手間もコストも省けます】

ご利用をおすすめします

  • 相続税申告(相続税の納税や特例を使用する場合)
  • 相続登記(不動産登記)
  • 金融機関での手続き(預貯金の払い戻し)
  • 証券会社での手続き(有価証券の名義変更)
  • 自動車の名義変更

法定相続情報一覧図の写しを上記の相続手続きの際に提出すると、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍、相続人の戸籍謄本(抄本)の提出が不要となります。

法定相続情報一覧図に、被相続人の最後の住所や、相続人の住所を記載した場合は、住民票や住民票除票の提出も不要となります。

※金融機関等によっては、法定相続情報証明制度に対応していない可能性もあるので、個別にご確認ください。

まとめ:法定相続情報一覧図は相続手続きの負担を軽減できます

ポイントをまとめます。

・法定相続情報一覧図の制度内容をチェック【より速く!より便利に!活用できます】

・法定相続情報一覧図が必要な5つのケース【手間もコストも省けます】

法定相続情報一覧図は、一度認証を受ければ相続手続きの負担を軽減することができるので相続手続きの数や種類が多い方はぜひ活用したい制度です。

なるべく早く法定相続情報一覧図の認証を受けて相続手続きを進めたい場合や、相続関係が複雑な場合には認証までの手続きを相続に詳しい専門家にお任せするのがおすすめです。

戸籍の収集から進めてくれるので、ご自身ではあまり手間をかけずに、かつ迅速に法定相続情報一覧図を使えるようになります。

ということで今回は以上です。

法定相続情報一覧図の作成(申出)だけでなく、それに付随した遺産分割協議書の作成、必要書類集め、相続人の調査、財産調査で不明な点がある場合には、当事務所にお問い合せやご相談下さいませ。

行政書士おおこし法務事務所

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