生命保険の相続対策のメリットが知りたい【活用方法を解説します】

生命保険の相続対策のメリットが知りたい人
「生命保険には税金がかからないとか聞くけれど相続対策にメリットがあるのか知りたい。効果的な活用方法あればついでに知りたい。あと注意することがあれば教えて下さい。」

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  1. 効果的な生命保険の活用方法【保険契約の特徴とメリット】
  2. 生命保険にかかる相続の上で注意すべき3つのこと

この記事を書いている私は、不動産歴18年ほど。その中で相続歴は10年ほどの行政書士です。

よくある質問で「生命保険の相続対策のメリットが知りたい」という疑問があります。その疑問を順番に解決していきましょう。

1.効果的な生命保険の活用方法【保険契約の特徴とメリット】


生命保険で節税対策ができます

  • その①:生命保険金の税法上の取り扱い(契約形態により課税対象が変わります)
  • その②:生命保険の相続対策のメリット(3つの特色や活用方法があります)

上記のとおり

効果的に生命保険が活用できるようにここで詳しく解説していきます。

その①:生命保険金の税法上の取り扱い(契約形態により課税対象が変わります)

生命保険にはさまざまな種類のものがあります。

対象となる税金の種類には「相続税」「所得税」「贈与税」のうちいずれかとなります。

下記の表をご参照ください。

相続税の課税対象となる場合とは、契約者と被保険者が同一人の保険契約で死亡保険金を受け取った場合、その保険金は相続税の課税対象となります。

契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)によって、受け取った保険金に対する税金の種類が異なるので正しく理解する必要があります。

その②:生命保険の相続対策のメリット(3つの特色や活用方法があります)

生命保険に加入することは、有効な相続対策の一つです。なぜ有効なのかポイントを3つに絞って解説します。

1.相続税の非課税枠があります

生命保険金には相続税の非課税枠があるので、相続財産を圧縮し相続税の負担額を軽減できます。

下記の表をご参照ください。

赤枠で囲っている部分が相続税の課税対象となります。

契約者と被保険者が同一人で、相続人が受け取る死亡保険金は相続税の課税対象となり相続税法上一定の金額が非課税となります。

死亡保険金の非課税限度額の計算式「500万円×法定相続人の数」です。

「法定相続人」とは、民法上の相続人のことです。非課税枠の計算では、相続放棄をした相続人も法定相続人の数に含めます。

例えば、相続人が子ども4人で、そのうち1人が相続放棄をしたとしても、非課税枠は「500万円×4人=2,000万円」となります。

また、契約者と被保険者が同一人で、相続人以外の人が受け取る死亡保険金も相続税の課税対象となりますが、相続人以外の人は、非課税枠の取り扱いを受けることはできませんのでご注意ください。

2.相続税の納税資金となる現金を準備でき、代償金としても活用できます

生命保険金は相続税の納税資金を確保できるという意味でも役立ちます。

相続財産が不動産のみで現金がほとんどないケースでは、相続を受けた年に多額の相続税を支払う必要があります。

不動産以外に現金がなければ、その不動産を売却するなどして納税資金を確保する必要が生じます。

このようなケースでは、生命保険金を受け取れるようにしておけば、死亡保険金は現金で受け取れますので、それを納税資金にまわすことにより相続財産を手放さなくて済むことになります。

また、生命保険金は代償分割の原資として活用することもできます。

例えば、法定相続人が長男と次男の2人で相続財産が戸建住宅だけというケースを考えてみましょう。

仮に、遺言で長男がこの戸建住宅を相続することになっている場合、次男は相続人が最低限確保できる「遺留分」を主張するかもしれません。

そのようなトラブルを回避するためには、長男が次男に対して代償金として支払うことも有効です。

このようなケースでは、長男が生命保険金を受け取れるようにしておくことで代償分割をうまく進めることが可能になります。

3.遺産分割がスムーズにできる

相続人が複数いる場合、相続人間で財産や権利を誰が取得するのか争いが起こることがしばしばあります。

遺産分割協議がまとまらない限りは誰がどれだけの相続をするのか決まりません。

一方、生命保険の死亡保険金は受取人固有の財産となるため、生命保険の死亡保険金の受取人を指定することで、無用な争いを避けられます。

死亡保険金は原則として遺産分割協議の対象外なので、すみやかに死亡保険金を受け取ることができます。

2.生命保険にかかる相続の上で注意すべき3つのこと


ここで注意すべき3つのことをお伝えします。

  • その①:生命保険加入には条件があります
  • その②:相続放棄をすると非課税枠の適用がありません
  • その③:生命保険金の受取人によっては相続税が2割加算されます

その①:生命保険加入には条件があります

生命保険はいつでもどんな人でも加入できるわけではありません。

親が認知症の場合や親が高齢の場合、加入拒否されることもあります。

そうなる前に相続税対策として生命保険を活用する分には問題ありませんが、高齢になってからの生命保険への加入はスムーズにいかない場合があります。

その②:相続放棄をすると非課税枠の適用がありません

相続放棄をする場合、初めから相続人でなかったものとされるので相続財産を受け取ることができません。

ただし、死亡保険金は受取人固有の財産になりますので、相続放棄をしていても受け取ることができます。

これはメリットにも見えますが、その相続放棄をした人が受け取った生命保険金には非課税枠の適用がなく、全額に相続税がかかりますのでご注意ください。

その③:生命保険金の受取人によっては相続税が2割加算されます

相続対策として生命保険金の受取人を孫や兄弟姉妹にするときは、注意しなくてはなりません。

「被相続人の配偶者」「被相続人の一親等の血族(子、両親)」以外の人が納める相続税は、本来の相続税額の2割増しです。

つまり、相続人でない孫や兄弟姉妹が受け取った生命保険金は、非課税枠の適用がないだけでなく、相続税がかかる場合1.2倍の相続税を納めることになりますのでかなりの負担増となってしまいます。

詳しくは「相続税がいくらかかるのか【税率や計算方法を解説します】その②:相続人によっては相続税が2割加算されます」を参照して下さい。

まとめ:生命保険は効率的に活用しましょう


ポイントをまとめます。

・生命保険の契約形態をチェック

・生命保険は相続対策のメリットがあります

・間違った利用をすると負担になります

・効果的な生命保険の活用をしましょう

生命保険には相続対策のメリットがいくつかありますが、誤った使い方をすると逆に負担となってしまいます。

相続対策として生命保険の活用をお考えの方は、元気なうちに相続に向けた準備をしておくことが重要です。

特に多額の資産を所有している人は、早めに相続税の節税対策を検討するべきです。

どのような生命保険が適しているかは、推定相続人や財産の状況によって異なります。

ご自分やご家族だけで検討することが難しい場合は、相続対策の専門家に相談してみてください。

いうことで今回は以上です。

これを参考に現在加入している生命保険があれば見直ししてみてください。


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